ドイツ島巡り:北端のリゾート島(Sylt)
地図で見ると陸続きのようですが、ただ一本の線で結ばれている。どうなっているんだろう?今回はドイツ北限に位置するSylt島を目指します。前任者から乗り継いだ車の積算距離が、ちょうど100,000kmを示したところから今回のドライブはスタートです。
ひたすら高速をたどり、大都会Hamburgを通り過ぎたあたりで仮眠し、23号線をひたすら北上。夜明け前に本土側のKlanxbüll駅を目指します。早朝に駅に到着。うっすら明るくなると辺り一面は霧に包まれ、人気はほとんどありません。これぞ、最果ての地っていう雰囲気。いいぞいいぞ。
でも、島には車では渡れないようです。車を置いていくか、車ごと電車に乗せていくかですが悩ましいところです。車でなきゃ島中を回るのは辛そうですが、段取りに時間がかかりそうなので、車を置いて自分だけ電車で渡ることにしました。往復切符を購入し、いざSylt島へ!
電車は走り始めたのですが外はまだ霧が深く、外がどうなっているのか見当がつきません。線路の近くだけうっすらと田んぼのようなものが確認できます。多分塩田だな。でも、今走っている部分が鉄橋なのか、陸なのかは分かりません。帰りに確認することにします。Sylt島側のWesterland駅に到着する頃には霧も晴れ、いい天気です。
こんな最果ての島なのに駅は結構な人混みです。そして目を引くのは、斜めになっている街灯や、モニュメント。風が強いことをアピールしています。
駅の近くにサイクルショップがあったので、ママチャリをレンタル。どこまで回れるだろうと思いを巡らせ、とりあえず出発します。
まず目に入ってきたのが水族館。見なきゃと思い中に入りましたが、一瞬で見終わりました。OKをもらったので記念に撮影し、そそくさと南下します。
とにかく急がないと、今日の宿は本土側、それもバルト海側のFlensburgなので辿り着けません。ここにきたら海岸線を見なきゃと思い、海側に向かいます。見えました。砂丘のような海岸線が遥か彼方まで続いています。どこに行ってもこんな感じ。島全体が砂丘なんだと実感します。そして、Rügen島と同じく家の屋根は茅葺ですが、それぞれが立派。別荘地なんですね。途中には、キャンプ場もあって、キャンピングガーでいっぱい。ぎゅうぎゅう詰めで駐車し、キャンプを楽しんでいますが、なんとも楽しそう。こうまでしてキャンプするドイツ人の潔さを感じます。というわけで、ここも最果ての地ではなく、立派なリゾートなんだと悟ります。
しばらく見て回りましたが、景色が変わらないので北側に移動することにしました。再びWesterlandの街中に入ると、すごい人混みで、真新しいマンションやらショップ、レストランなどなど目に入り一端の都会です。孤島の田舎町を想像していた小生としては少し残念。昼食でためたパスタもいかにもドイツ風(しっかり茹でた軟かい麺がたっぷり)でガッカリ。もう十分。帰りたくなりました。
もう大分北の方まできましたが、北端はまだまだ先。人もめっきり少なくなり、こんなところでママチャリを漕いでいる日本人は、何をしたいの?と自問自答しているうちに日も傾いて、寂しくなってきました。もう十分。帰ろう!
帰り道、Westerlandの海岸では何やらすごい賑わいで、大きなイベントが行われているようです。見てみると、サーフィンの大会です。ワールドカップSylt大会との垂れ幕から読み取れます。日本人選手も参加しているようです(後に彼が、第一人者と悟ります)。あいにく波が小さく可哀想。そうか駅がすごい人だったのはこれだったんだと妙に納得し、Sylt島を後にしました。
駅を出発し程なくすると今朝は確認できなかった本土に渡る部分がよく見えました。やはり塩田のようです。遠浅で、遠くには無数の風力発電の風車が見て取れます。風が強いんでしょうね。そう、今走っているのは陸の上。洋上の鉄橋ではないです。人口っぽいですが、陸地(土手)の上に線路が敷かれてます。謎が解けたことに納得していると、Klanxbüll駅に到着。車に乗って、今夜の宿を目指します。
50kmくらいなのでFlensburgにはすぐに到着しました。夕暮れで、穏やかな港町。ママチャリで疲れた体が癒されます。ホテルにチェックインし夕飯を食べに街にでましたが、なかなか良い店が見当たりません。ホテルの向かいにマケドニア料理店を見つけたのですが、席が一杯ということで断られてしまいました。うーん残念。じゃー港に行って、例のものを食べるか。というわけで港のバーレストランでニシンのバーガーとWeizenbierで夕食。やはり美味しい。最高!
翌朝、港の清々しい空気を吸って帰路につきました。Dresdenまで往復1,400kmの旅。無事生還できました。次回からは、ドイツの南の島を巡ります。といってもドイツの南に海はないけどね。