解決策への導き

問題解決にあたり一番ネックとなるのは解決案の創出です。という話は以前しましたが、具体的にどうすれば良い解決案が創出できるのでしょう? そこで登場するのがTRIZですが、以前、理想的な解に導いてくれるツールとして矛盾マトリックスの使い方を紹介しました。今回は、TRIZの中から、もう一つ便利なツール、物質-場(Su-Field)分析で使用する物質-場モデルについて紹介したいと思います。

ツールの目的は、問題が生じている対象(システム)を単純なモデルに置き換え、問題の本質を捉えることで解決策へ導くことです。と言ってもピンとこないかも知れませんが、要は、①問題事象をモデルを使って表現し、②解決アプローチを選んで、③解決策を創出するということです。

それぞれのステップを、順を追って簡単に説明します。

①問題事象をモデルを使って表現するというのはどういうことか? TRIZでは、問題を生じるシステムというのは3要素で表現できるそうです。3要素というのは、問題の対象となる物体、物体に作用している場、物体を制御している作用体のことを言います。ただし、場や作用体は欠落する場合もあります。この要素で、問題をモデルに表現し直します。

②の解決アプローチを選ぶというのはどういうことか? これは、モデルを使って解決策を考える際の手段で、例えば、要素が欠けている場合は、欠けている要素を補うことで解決するとか、既存要素を改良することで解決するとか、要素(例えば第2の作用体)を追加することで解決するとか、いくつかのアプローチがあります。先人の知恵なので、やみくもに解決策を考えるのではなく、決められたアプローチをまず使ってみるのが得策です。

③の解決策を創出するというのは、自分でやるしかありません。物質-場モデルというのは、解決策を具体的に創出するツールではないからです。ではどうするか? 問題を物質-場モデルに置き換えると、多くの場合、物体との間で有用な作用と、有害な作用が生まれます。これは、TRIZの矛盾マトリックスの出番ですよね。先入観を払拭して解決策を考えるというには最高の組み合わせです。まあどちらもTRIZのツールなので当たり前か。

物質-場モデルの使い方に関しては、 Youtubeチャンネル"価値の泉" 90秒で身に付けるTRIZ を配信しました。事例を使って説明していますので、分かりやすいと思います。ぜひご視聴願います。もう少し詳しく知りたい方向けには、WEBにて関連講座(TRIZの運用)もオンデマンド配信していますので、お役に立てていただければ幸いです。