ドイツの街歩き:小さな街の誇り(Zwickau)

Dresdenから4号線を西に向かい工業都市であるChemnitzを過ぎるとZwickauという標識が目に入ります。Dresdenはドイツのほぼ東端に位置するので、どこへ出張するにもこの幹線道路をよく使うのですが、Zweckauという響きが印象的でどんな街なのか興味がありました。


いつものように同僚と二人で出張する際、このZwickauという街はどんな街なのか、何か有名なものでもあるのか聞いてみました。そうるると、” 普通の田舎町で、大したことはないよ。ただ、ここはAudiが生まれた街で、博物館もあるから一度行ってみるといいよ。 ” と、教えてくれました。Audiの生い立ちから、その後4つのメーカーが集まりFour Silver Ringsが誕生する話まで延々と彼の話は続くのですが、もうお腹いっぱい。博物館を訪ねるモチベーションもダダ下がりとなってしまいました。でも興味には勝てず、夏のある日、暇つぶしに来てしまいました。


博物館に入ると、クラシックカー博物館かと思わせるほど歴史的な展示が多く、当時の社会背景の説明と相まって、いかにこの会社がドイツ自動車産業界や社会に影響を与えてきたかが分かります。また、当時採用されていたエンジンを見ると有名な補機メーカーのロゴが見て取れ、そうか、こんな昔から関係を築いてきたんだと認識を新たにします。


クラシックカーを見ていると、車の形は変わってもエンジンがあり、4つのタイヤ、ハンドル、ブレーキ、フード、ワイパー、サス、ライト、、、基本的な作りは今も同じ。100年に一度の変革期と盛り上がっていますが、私のような機械技術者にとっては何だかピンときません。確かにパワートレインはEV化で変わりますが、車本来のニーズが変わらなければ、これらの基本技術は、これからも更に洗練され、受け継がれていくんだろうなと思いました。なので、日本の部品産業も迷わず技術を極める方向に進んでもらいたいと思います。全自動運転も空飛ぶ車も結構ですが、一般化するのは今日明日の話ではありません。まだまだ頑張ってもらいたいと思います。

博物館を見学した後、せっかくZwickauまできたので街中を歩いてみます。もう夏も終わりだからでしょうか、日差しはキツくなく通り抜ける風も気持ちいいです。街はこじんまりとしていて、道端もよく清掃されており綺麗。よく清掃されていて好印象です。


お茶でも飲んで一休みしようと、探してみますが休日とあってなかなか店が見つかりません。そうこうしていると、偶然、有名な音楽家Schumannの家を発見。へー、Zwickau出身だったんだー。


こんな田舎町から世界的な音楽家が生まれたことに驚きです。Audiと同じくSchumannもまたこの街の誇りなんでしょうね。でも、今日は残念ながら休館日。見学はできず、後ろ髪を引かれつつ街を後にしました。