ドイツの街歩き:魔女と木組の家(Wernigerode)

"今週末はWernigerode(ヴェルニゲローデ)に行って来ようと思うんだ。" と同僚に話をすると、" え?どこだって? " って言うので、"Wernigerode" だって。と言っても、通じません。そう、アクセントが全く違っていました。日本人のクセだと思うのですが、ついつい抑揚なく発音してしまいます。ドイツに来ると感じますが、アクセントって大事ですよね。だって、相手と同じ単語をイメージ出来ていても通じませんから。結局、この地名のアクセントは、頭の "ヴェ" を強調し後はおまけ程度に流すだけ。皆さんもこの街を語るときは注意してください、通じませんから。。。実はこの街、Harz山麓に位置するだけあって魔女で有名なんです。そして、Harz山頂へ向かうSLの起点にもなっていて、観光拠点にもなっているようです。秋の週末に、訪ねてみました。


14号線からHarz山方面に入ると、小高い山の上に城が見えてきます。Wernigerodeのランドマークですから、まずは城を見学します。車で城までは登れませんので、なんと徒歩で坂道を登って行きます。途中、何やら怪しげな魔女のオブジェとか、グッズを売っている店に遭遇します。どんな人がこれを購入するのか想像できませんが、売っているということは誰か買う人がいるという事でしょう。朝だったせいか、客引きがいる訳でもなく、ひっそりと商売しています。


坂道を登り切ると城の入り口が見えてきます。想像していたよりも、随分と大きな城です。


天井の高いホールを抜け城内を巡るのですが、大きな中庭があって余裕のある造りをしています。全体的に豪勢な作りで、ギラギラしたシャンデリアが印象的です。見張り台からはWernigerodeの街全体を眺めることができました。城に到着した頃は雨模様だったのですが、すっかり晴れて、赤い屋根がずっと遠くまで続いているのが見て取れます。さあ、街に下りて庶民の暮らしを見てみますか。


街に入ってまず目に着くのが、この地方特有の木組の建物です。あっちもこっちも木組で、街全体が木組の建物で埋め尽くされています。特に目を引くのが市庁舎で、入り口の両脇に塔を備えています。今日は、市庁舎前広場に位置したホテルを宿にしていますので、ゆっくり街歩きができるんです。賑やかな通りを歩いていると、魔女グッズを揃えた土産屋が数件あり賑わいを見せています。ここを見て回るだけでも楽しめます。


ランチは、駅近くのレストランにしました。メニューはドイツ語Onlyで、見てもどういう料理か全く見当がつきません。とりあえず、お奨めを聞いて出てきたのがこれ! どうやら蒸したジャガイモにクリームを付けて戴く様ですが、ハズレでした。なんでこれを奨めたのか理解に苦しみますが、多分地元の名物か何かなのでしょう。大体、名物料理というのはこんな感じですよね。。。


もう日が暮れてきました。ホテルへの帰路、妙に変形している木組の建物が目に入ります。どうやら博物館の様です。展示物はさておき、窓の外を覗くと、先ほど訪ねた山城が夕闇に浮かび上がり、なんともおどろおどろしいい雰囲気。まさに魔女でもいそうな感じ。皆さんもぜひ夕方博物館の窓から山を眺めてみてください。城は魔女の棲家に変容しているはずです。


次の日、SLを見に駅を訪ねました。ちょうど山からSLが降りてきたところで、運よく、その勇姿を確認することができました。以前ブログでも紹介したように、中腹のSchierke駅などからも乗車できるのですが、Brocken山頂を目指すのであればWernigerode駅からの乗車をお勧めします。ここからであれば、平坦な街並みから、徐々に山へ入っていくので景色の変化を楽しむことができます。


最後は、偶然この街で見つけたLufthansa航空博物館です。。。展示してある飛行機やヘリは年代ものがほとんどですが、実際のコクピットに触れることができます。なんとも生々しい。外観とは裏腹に、この時代のコクピットというのは手作り感満載で、ギミック感に溢れ技術者心を揺さぶります。技術者はついつい長居をしてしまいました。


月曜日の朝、航空博物館の話題を出しましたが、ドイツ人スタッフでもこの街にLufthansaの博物館があることは気が付かなかったらしく、驚いていました。という訳で、超穴場なので客は少なく、ゆっくり年代物の飛行機を堪能できます。飛行機好きの方にはお勧めです。

長くなってしまいましたが、Wernigerode、魔女伝説の街は、意外と見所の多い賑やかな観光地でした。まだまだ日本人には馴染みの薄い田舎町ですが、一度は訪れてみる価値ありです。。。ではまた。