ドイツの街歩き:ここも宗教都市(Fulda)

ドイツのほぼ中央に位置するこの街は、Fulda修道院に始まる宗教都市。別に宗教に格段興味がある訳ではありませんが、ドイツで暮らしていると各地に有名な教会があり、訪れてついつい歴史を紐解いてしまいます。この街にあるバロック調の大きな建物Hoher Dom zu Fulda(聖ザルヴァートール聖堂)は、ランドマークであり是非一度お目にかかりたいと思っていました。今回は、これを見るためにだけやってきました。

城壁に囲まれた門をくぐり抜けるとそのDomは姿を現します。天候はあいにくの雨。早朝だからでしょうか、人もまばらで気持ちまで寂しくなってきます。とりあえずDomの脇に車を停め、昨夜用意したおにぎりを食べながら雨が止むのを待ちます。。。でも、いっこうに止む気配がないので、諦めて、まずはDomを見学。さすがにカトリック系の教会らしく、豪華な祭壇と彫刻類がホールを埋め尽くしていますが、白が基調になっているせいか落ち着いた雰囲気です。残念ながら内部の写真は載せませんが、この時代ですから見たい方はWEBで直ぐに見ることが出来ます。実は私自身あまり教会の内部、特に祭壇に関してはなるべく撮影しないようにしているんです。深い意味はなく、なんとなくですが、そうしています。教会だからと言う訳ではなく、日本のお寺とかでもそうしています。それはそうと、雨も小降りになってきたので辺りを散策してみましょう。

今日は空もグレーで残念な感じですが、Domの外観は見ての通りバロック調で、広場側から眺めると左右対称。なかなかに荘厳な雰囲気を醸し出しています。ガイドブックでは気がつかなかったのですが、近くで見ると壁の石は場所によって色が違っているんですね。このモザイク模様はなぜできたんでしょう。DresdenにあるFrauenkircheを思い出してしばし佇んでいました。広場は遮るものはなくただただ広く、それがまたDomの威厳を助長しているかのようです。何を思うのか、観光客らしき人たちが、ずっとDomを眺めています。

ここには隣接して、St. Michael Church, Fulda(聖ミカエル教会)が建っています。聖墳墓教会に習って作られた教会で、尖った2つの屋根が印象的。Domとは対照的に、とてもシンプルな外観ですね。さあもう寒くなってきたので、散歩も終わりにしましょう。

Fuldaの周りには、Eisenach、Kassel、Marburgなど宗教的には見どころの多い都市が点在しています。このシリーズで後日紹介することになると思いますが、これらの都市を訪れると史実(良いことも、そうでないことも)を大切にする心、すなわち歴史に名を残した人や物事を大切にする心に圧倒されます。もっと言うなら、史実と一緒に暮らし後世に引き継いでいく使命感のようなものを感じます。日本で暮らす我々が、ほぼ感じることがない歴史の中で生きている感覚。宗教都市Furdaで、今の時代、何が大切なのかを考えさせられました。 ではまた。