ドイツの街歩き:最古のワインを見に(Speyer)
見どころ満載の街Speyer(シュパイアー)は、ドイツ最古の大学のある観光地Heidelberg(ハイデルベルク)の西15kmくらいのところに位置します。ここは、ライン川に面していることもあり、古くから栄え、神聖ローマ皇帝の埋葬地である大聖堂と、司教座の所在地であったでも有名です。
Speyerは、技術者が旅した中でも、穴場中の穴場。日本のガイドブックではほとんど触れられていないので、知る人は少ないのではないでしょうか。実は街としても、さまざまな魅力を持っています。
1.世界遺産となっているDom zu Speyer(シュパイアー大聖堂)を始め、幾つもの宗教建築物を持つこと。「カノッサの屈辱」を知っている方なら、当人が眠るここを訪ねない理由はありません。
2.世界最古のワインが観れること。ワイン好きなら一度は訪れる価値あり。
3.ドイツでも有数(技術者が知っている限りでは、MunichにあるDeutsches Museum ドイツ博物館に次ぐ規模)の技術博物館があること。メカ屋にとっては、一日いても飽きません。
4.プレッツェル発祥の地として有名なこと。小生のようなプレッツェル好きの巡礼地です。
5.高速コースで有名なホッケンハイムサーキットがすぐそばにあること。言わずもがな、F1好きなら一度は見てみたい場所です。
などなど、訪れてみる価値は十分です。今回訪れた主目的は、4つ目のプレッツェル。本場のプレッツェルってどんな感じなのか食してみたくなり訪れました。出来立てのプレッツェルは美味しいですよね、中がしっとりふわふわ、外側も硬すぎず、食感がたまりません。残念ながら短時間で固くなってしまうので、なかなかこれを楽しめるチャンスはありません。日本では、尚更です。
ところが、Speyerに着き、すぐにプレッツェルを販売しているワゴンを探したのですが、見つかりません。なんと、今日は日曜日なので営業してないそうです。東の果てドレスデンから、西の果てまでやって来たというのに、、、というわけで本場のプレッツェルはお預けです。でも、ここは街並みが整然としていて、綺麗な建物が多く気持ちがいいですね。街歩きをしていると、この街も教会が多いことがわかります。街全体から歴史を感じますね。
気を取り直して、大聖堂でも見に行きましょう。大聖堂前の通りには、何やら人の像が設置されています。Jakobspilgerstatue(巡礼者の像)です。スペイン北部にあるヤコブの墓への通り道、そうここは巡礼の道になるんですね。教会の正面には大きな水盤が鎮座しています。これにワインを満たし祭りを催したそうですが、現在のワイン祭りではどうなんでしょう。ワイン好きの技術者としては、ワイン祭りも一度見てみたいです。まあ、次回のお楽しみとしましょう。
聖堂の中に入ると、柱が整然と並び、丸天井のアーチと綺麗につながっています。実にシンプルで好感の持てる造形美。何よりも、その広さに圧倒されます。ポカンとしながら、大聖堂を後にし、しばし立木が並ぶ敷地を散策していました。横から見ると、さらにその大きさが感じられ、当時隆盛を誇った神聖ローマ帝国の力をひしひしと感じ取ることができます。実は、後日、地下聖堂が素晴らしいことで有名だということを知りました。まあ、今回は主目的が大聖堂ではなかったので、仕方がないですかね。これから訪問を予定している方は忘れずに見学してくださいね。
大聖堂のすぐそばに、今回の主目的の一つ、Historisches Museum der Pfalz(歴史博物館)があります。中は博物館というよりは、小さな商業施設という感じ。地元の人(多分)で賑わっていました。奥に進んで行くと遺跡から掘り出したような葡萄を搾る機械や、古いワインボトルが陳列されています。この地方がワインの本場だったことが伝わって来ますよね。その中に、ついに見つけました。最古の葡萄ワインボトル。ボトルの中は赤っぽいゲル状の液体らしきものが確認できます。年代物ですが、絶対飲めないことは目で見てわかります。
さあ過去に思いを馳せたあとは、現代技術の粋を集めたTechnik Museum Speyer(技術博物館)を見にいきましょう。高速でこの辺りを走ったことがある方ならご存知でしょうが、Speyerに近づくと、今は懐かしい巨大なジャンボジェットが空中に浮いているのが目に入ります。初めて目にする人は、なんだろうと、興味をそそられます。私もそうです。技術博物館があるとは知らずにSpeyerを訪れたんですが、来てしまいました。ここは、すごいです。飛行機、車、船、宇宙船、なんでも展示しています。
中でも凄かったのは、例の客寄せジャンボジェットです。こんな高いとことに展示しているのに、主翼の上を歩くことができます。まあ、流石に柵は設置されていますが、足がすくみます。何を意図しているんですかね、意味がわかりませんが。。。でも、もし翼の上に乗ることができて、飛ぶことができればこんな感じなんだろうなあと、変に納得します。機体の中の展示も変わっていて、至る所がスケルトンです。客室、貨物室、それぞれどんな構造をしているのか一目瞭然。一般的には中までバラして見せてくれることは、なかなか無いと思うので貴重な機会です。これはスペースシャトルも同様で、実は、技術者にとっては願ってもない展示でした。隅から隅まで、じっくりと見せてもらいました。
そうこうするうちに、夕方になってきたので、もうHockenheim(ホッケンハイム)を見て帰りましょう。SpeyerからHockenheimまでは1時間もかかりません。
すぐに到着しましたが、また問題発生です。なんと、ここも休館です。どおりで客が少ないと思いました。でも、隣接する博物館で、歴代のF1とかさまざまな展示を見て雰囲気だけ今回は味わいました。
金曜日の夜、行先を適当に決めてドライブするという悪い癖が仇になり、いくつか諦めざるを得なかったことは残念ですが、収穫はいっぱいありました。こんな魅力的な街が、なぜ日本では知られていないんだろう。近くに横綱クラスのHeidelbergがあるからですかね?それとも私が知らなかっただけか? 小生も昔ドイツを訪れたときは、確かにロマンチック街道の見所としてHeidelbergは訪れましたが、ここは素通りでした。今思うと実にもったいない。今回は、小生がまた行きたいと思っている街No.1のSpeyerを紹介しました。
ではまた。。。