北の衛星打上げ?
一昨日5/27に、北が衛星打上げに失敗したようです。
このこと自体に、どうこう言うことはありませんが、日本国民はこのことに対してどう思っているのでしょう?Jアラートも発出されたようですが、漁業関係者とか直接に影響を受ける当事者以外は、気にも留めなかったのではないでしょうか?少なくとも、彼の国の技術レベル、特にロケット上げ技術レベルの進歩に驚異を感じている人は多くはなかったはずです。中途半端に終わった今回も、ロシアの技術支援があって、やっとこのレベルなんだろうと。。。
話は変わりますが、新製品開発に携わったことのある人ならば、開発プロセスの重要性は今更言うまでもなく認識しています。新製品開発には、順序というものがあって、問題が発生した場合は先には進めません。計画通りにことを進めるには、リソースも含めて全集中で問題を解決してから先へ進みます。要は、幾つものゲートがあって、クリアしながら先へ進んでいくのです。
ところがです。よく考えてもらいたいのですが、別に壊れてもいいというものであれば、ゲートなんて必要ありません。先進国が培ってきた、壊れないもの(壊れないと保証できるもの)を開発する仕組み、壊れないものを作る技術。世界には、必要としない国も存在します。そういった国とも競合していかなければならなくなった今、ただ真面目にものを作っていれば救われていた(儲かっていた)時代は終わりを告げています。ゲート管理、開発スケジュールなんていうものは、作る側が勝手に決めたルールで、買う側にとっては本来関係ありません。
極端な話ですが、客目線から言えば、多少品質は劣っていても安く買えればいい、値段が高くても早く手に入ればいい、見た目が良ければ品質はそれなりで構わない、壊れてもいいので沢山手に入ればいい。。。などなど、時代や国の都合、トレンドでニーズは変化します。技術者がいうのも変ですが、日本の技術者は良いものを作ることに執着しすぎていないですかね。世界と戦うためには、もっともっと柔軟に対応できる考え方が必要と思います。仕組み自体を変えないといけないので、そう簡単ではないですけどね。
昨日の衛星打上げも失敗したからといって、多分、残念がっている彼の国の科学者、技術者はいないと思います。もう次のミッションは決まっていることでしょう。多分、淡々と数をこなして、気がつくと成し遂げられているという気がします。商業運用でもなく、とにかく打ち上げることさえできればいいのだから、旧型エンジンでも他国の技術を利用してでも構わないということですよね。
今更いうことではないですが、売る側目線ではなく、買う側の目線で何をすべきか柔軟に考える必要があるということ。" 時間はかかるけど、そこそこの値段で、安全で、絶対壊れないものを供給する " って、今時、誰が望んでいるんだろう。。。もっともっと合理的、かつ柔軟に考える力が日本人技術者にはあるのに、もったいないですよね。これも日本の技術者が、本来業務に専念できない理由の一つと思えてなりません。