製品開発の話

先日、茨城県産業技術イノベーションセンターで次世代人材育成セミナーなるイベントがあり、製品開発についてお話をする機会を頂きました。センターの皆様、準備含め色々とお世話になりました。そして受講者の皆様、お疲れ様でした。

今回、実際に製品開発、要は設計開発業務に携わっている方の参加は半数にも見たなかったので、新たに自社製品を立ち上げようとする方、そもそも製品開発とは何なのか学びに来られた方が大半を占めていたものと思われます。まあ、数日間のプログラムの中の1講義だったので、製品開発自体に特別興味がない方もおられたかもしれません。

本当は写真も掲載したかったのですが、入手できていないので機会があれば紹介しますね。

さて、技術者自身、前の会社に入社してからずうーっと製品開発に携わってきたので、お話ししたいことは山ほどあったのですが、時間制限というものがあります。サラーっと自己紹介は流して本題に移ろうと思っていました。ところが、実際講義が始まってしまうと、自己紹介でかなりの時間を費やしてしまいました。

というのも、今回言いたかったことの事例が自己紹介とかぶってしまったようなもので、ついつい熱く語ってしまいました。うーん、やってしまった感ありですね。受講者の皆さんには申し訳なかったですけど、当時を思い起こして話をしていると、言いたいことが沸々と湧いてきて、話が長くなってしまうという。。。あるあるですよね。でも、製品開発に関しては、言いたいことを実例で説明できたので、少しは記憶に残ってくれたんじゃないかな?

今回お話ししたことで一番言いたかったことは何か? 製品開発で一番大切なことはコミニュケーションだということです。製品開発の仕方は多々ありますが、コミニュケーションが大切だという点に変わりはありません。特に製品開発初期段階でのコミニュケーションは、製品の良し悪しはもとより、開発自体の継続をも左右する重要ツールです。

製品開発で問題になるのは、先を読めずに(要は自らの実力を勘違いし)開発をすすめてしまうこと。実力とは、技術力はもちろん、様々な意味でリソースが十分かという点も含まれます。意思決定者の思い込みで始めてしまう、課題共有がされていない、専門家の意見を聞いていない、間違っていると気がついても言い出せない雰囲気など、放置してしまうと時間は待ってくれず、程なく最悪の事態が訪れます。

現在のようにコンカレントにチームで製品開発を進める場合は特にコミニュケーションは大切。問題が起きる前に関係者全員が自分ごととして課題を洗い出し、チームで先手、先手で解決していくことが必要となります。そのための、ツールもいっぱいあります。

製品開発の失敗例を見てみると、大企業も中小企業も関係ありません。動機的原因のほとんどがコミニュケーション不足に起因します。そして、この時代、1人で製品開発をマネージできるほど甘くはありません。指摘し合い、知恵を出し合って製品開発を進める必要があります。

悪い癖で、日本人というのは何事も自分(自社)で何とかしようとします。競合他社もなく、時間にも余裕のある場合はそれでも構いませんが、この時代、誰かに頼んで何とかなるのであれば他者に頼みましょう。技術者は外国拠点とも一緒に開発を進めてきたし、海外赴任も経験していますが、外国の方はとにかく見切りが早いです。難題に直面すると、躊躇せず他者に相談します。日本人のように他者に相談することに関して戸惑いはありません。この辺りは、文化の違い。有効に時間を使う術が身に付いているのでしょうね。

でも、意外と言っては何ですが、日本では環境は整備されているんですよね。少し調べると、相談先はいくつも見つかります。そして大概は非営利団体なので無料か、少額で話を聞いてもらえます。もちろん当事務所のようなコンサルティング会社でも相談であれば無料でお受けするところがほとんどです。どこに相談しても、技術分野が違っていたとしても、専門家のネットワークを持っているので空振りすることはないはずです。

ぜひ、今回の受講者には議論を尽くして、それも開発初期にこそ議論を尽くして、専門家や第三者機関もうまく利用して、素晴らしい製品を世の中に送り出して欲しいものです。数年後が楽しみです。

少し長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。。。では、また。