世間って狭いね…

一昨日、東京でEVの熱シミュレーションツールに関するセミナーがあり参加してきました。そこで、まさかとは思いましたが、知り合いに遭遇しました。前の会社で研究開発に携わっておられたO氏です。

2、30人くらいのセミナーだったのですが、質問された時、名前を聞いて出席していることに気がつきました。いや〜、世間は狭いですね。

今回のセミナーは、熱解析シミュレーションツールを販売している会社が行っていたのですが、参加者が思いのほか少なかったこともびっくりです。このご時世、EVの熱マネージメントシステムはカーメーカーにとっても、サプライヤにとっても社運をかけて取り組まなければいけない重要なシステムのはず。なのに、" 全国規模で募集をかけていた無料セミナーでさえ、こんな感じなんだ " と。。。

エンジン部品や補機を手がけている企業にとっては、これからの生残りをかけて手がけるべき新分野です。電池の加熱/保温/冷却と車内空調を行うために、エンジン車とは違い、熱源に乏しいEVは様々なところから熱を回収しなければなりません。空調システムもヒートポンプに置き換わっています。そしていかに効率的にこの統合熱マネージメントシステムを使うかで燃費(EVでは電費と言います)、すなわち走行距離が決まります。

つまり、熱マネジメントシステムの出来が、EVの将来を決めると言ってもいいくらいです。

今は群雄割拠で、各社独自の熱マネージメントシステムが提案されていますが、そのうち(と言っても1、2年くらいで)Bestな業界標準となるシステムが構築され、雪崩を打って置き換わっていくような気がします。カーメーカーにとってはシステム構築で主導権を取れるよう、サプライヤーにとってはどのようなシステムにも対応できるよう、常に最新動向に目を光らせていなければなりません。

なのに、単なる熱シミュレーションツールの紹介とはいえ、参加者の少なさと、この分野の盛り上がりのレベルに寂しさを通り越し、危機感さえ感じました。危機意識のなさは、どんなことでも後戻りのできない問題を引き起こしますからね。心してかからねば。

どうなっていくのでしょうね、EVって。何年も前から、バッテリー技術のブレークスルーがキーとなると言われ続けていましたけどね。。。

ちなみに、誤解されないように言っておきますが、一技術者としてはEV推進派ではないです。なので、環境面からも、経済合理性の面からも外堀を埋めずに突っ走るこの業界の流れには、素直に納得できない自分がいます。でも、そんなことは言ってられません。業界のトレンドが決まれば、従うしかないですからね。こうなってしまった以上、その中でどう立ち回れるかですよね。お互い、がんばりましょう。

ではまた。。。