ドイツの街歩き:クリスマス飾り(Seiffen)
暑かった今年も、流石に寒くなってきましたね。。。
今年も、" 色々あったなあ " って毎年この時期になると感傷に浸ってしまいますが、なんなんでしょうね?
そういう技術者が、この時期になると必ず頭に浮かぶのは "ドイツのクリスマス " 。みんな心待ちにしていたように街に繰り出し、Glühwein(グリューワイン)を片手に会話を楽しむ。11月を迎えると、みんなが心待ちにしていた一年で一番楽しい時期。何か大切な恵みを待ちわびる、そんな気持ちにさせてくれる時期なのです。
だから、この時期ドイツ人スタッフは例外なくにこやかに、優しくなります。会社でも急に話しやすくなるんですよね。日本人にはない、この感覚は、不思議というより、ちょっと羨ましささえ感じますよね。。。ドイツ人にとっては、このクリスマスを待ちわびる期間を含めてクリスマスなんですよね。今回は、久々の街歩きシリーズ。クリスマス飾りや、木彫りの人形などで有名なDresden近郊の街(というか村?)Seiffen(ザイフェン)を紹介しましょう。
Dresdenからは車で1時間半くらい、チェコとの国境近くにSeiffen(ザイフェン)は位置します。fが二つのSeiffenですね。Seifenというと別の街になってしまいます。Seiffenは、正式にはKurort Seiffen(クアオルト ザイフェン)といって、山間の小さな街。街が小さいので結構、道も店の中も、レストランも観光客で賑わいます。観光客の目当ては、クリスマス飾りと木彫りの人形や動物たち。みなさん、あまりの種類の多さと、工房の持つオリジナリティーに圧倒され、ついつい長居をしてしまいます。ドイツ人にとって、木彫りといえばSeiffenなんですね。
以前、Dresdenの出店でかわいい動物たちを見つけ、お土産に買おうと思い、値切ろうとしたところ、 " ちょっとお客さん、これはSeiffenで作った本物だよ " と言われ、え、" そうなの?本物とかあるんだ " って初めてSeiffenの存在を知りました。結局その時は、同行していた営業スタッフの分と合わせることで、値引いてくれましたけどね。今でも、我が家のリビングに鎮座しています。
実は、Seiffenはあまり良い印象がなかったんです。Dresdenで値切りに成功した経験もあったので、Seiffenでも交渉してみたところ、撃沈しました。安くしてくれと、お願いしましたが、私のドイツ語が全く通じず、挙げ句の果て " なんだこの日本人は?この素晴らしい人形の価値をわからないのか? " みたいな。。。目で見られ、寂しい思いをしたからです。
以来、Dresdenからは近いので、いつでも行けるという思いもあり足が遠のいていました。ある休日、ドイツに来ていた家内とスパにでも行こうかと、Bad Schandauに向かいましたが、途中で気が変わり、Seiffenに行くことにしました。11月だし、以前から欲しかったクリスマス飾りSchwibbogen(シュビップボーゲン = アーチ状の窓飾り)を探しに行ったのです。
今日は曇り空なので、むちゃくちゃ寒いです。
もう昼なので、まずはランチでも食べようと店を探していたのですが、どこも観光客でごった返し、空きはなさそう。数件見てまわると、大きな店のレストランに座れそうなスペースを見つけました。なんとか食事にありつけましたが、もちろん相席。 " どこから来たの?"、" Dresdenからです " というような会話を交わしながら、食事を楽しみましたが、いつも返ってくる言葉が、" Dresdenって良い街だよね〜 "って。結構いろいろなところで言われます。うーん、愛されているんですね。まさにドイツ人の心の故郷、日本でいえば京都のような感じなのかな、って勝手に思ってしまいます。
食事の後、窓飾りを買いに店や工房を回ってみました。どれもこれも素晴らしい出来で、目移りしてしまいますが、日本に持って帰ることも考えて手頃なものを選びました。今回は、値引きもしてくれたし気分は上々。ついつい気を良くして、人形や、ツリー飾りや、行燈のような箱や、窓に貼るシール、クリスマスマーケットでよく見かける星形の提灯(ウニみたいなやつ)などなど、妙なものをいっぱい購入してしまいました。
本当に、これ使うんだろうか???って帰宅してから思いましたけど、まあ、いつかドイツを懐かしむ時が来るだろうから、その時使うとしましょう。って、まさに今がその時期ですけど。。。
Seiffenは小さな街ですが、山間の谷底にあるので坂が多いんです。駐車場も離れているので、購入したものを持ちながら散策しなければなりません。
美術館、ギャラリーもあって楽しいのですが、もう日が暮れそう。夕方になって、さらに寒くなってきたのでそろそろ帰宅します。
家に戻り、早速窓飾りを点灯してみると、うーん、我ながらばっちり。ツリーはないけど、クリスマスの間ずーっと、良い雰囲気を作ってくれます。季節ものですが、なかなか、良いですね。外に出ると、クリスマスマーケットが開催されているAltmarkt広場は、すごい賑わい。ここで楽しむグリューワインがまた格別。やっぱり、クリスマスマーケットはDresdenがしっくりきますね。そこまで煌びやかでないところが、良い雰囲気を醸し出しています。さらにエルベ川に向かって歩いて行くと、Frauenkirche(聖母教会)広場でもクリスマスマーケットが開催されています。こちらも、ライトアップされた教会が中央に鎮座し、幽玄な雰囲気を醸し出しています。この時期ドイツを訪問される時は、ぜひDresdenにも立ち寄ってみてください。
さて、日本に帰国してしばらく経ちますが、Schwibbogen(窓飾り)はまだ一般的ではないようです。昨年の年末は、コロナに感染してしまいクリスマスも正月もなかったので、今年はSchwibbognを張り出して、久しぶりにドイツのクリスマス気分を楽しもうかな。。。グリューワインを飲みながら厳かに。
ではまた。。。