品質月間に考える理想解
11月といえば品質月間ですよね。月末の発信になってしまいましたが、今年は理想解について考えてみましょう。
突然ですが、価格というのは製品価値に対する対価ですよね。この対価の妥当性は、お客さんが判断するもので、メーカ側が判断するものではありません。ここが勘違いの元で、メーカは製品価値を見誤り、販売不振、製品事故を引き起こしてしまいます。
どういうことか、
お客さんは期待して購入したのに、予想外に早く壊れた、写真では良く見えたのに実物は安っぽかった、ちょっと変な使い方をしたら怪我をした、、、" 高かったのに〜 " っていう状況です。これは、価格に見合った品質を提供することができなかったメーカ側に問題があります。もし、異を唱える人がいるとすれば、悪徳商法つまり、詐欺。公に非を認めないにしても、結局は社会からまともな企業とみてもらえなくなります。一度でも嫌な思いをしたメーカのものは二度と買わないですからね。企業存続の危機というやつです。
特に注意しなければいけないのが、お客さんが期待する品質が一般的に認知されている場合です。この場合、メーカには製造物責任の " 黙示の保証 " が課せられます。品質トラブルが生じた場合(特に品質が元で事故が生じた場合)、そういう使い方は想定していないとか、価格が安いんだからしょうがないとか、運が悪かったとか言っても言い訳にもなりません。責任は全てメーカ側が負うことになってしまいます。
どうすれば良いのか、
品質と価格(メーカにとってはコスト)をトレードオフしなければ良いのです。メーカの存在意義である " 安くて良いものを提供する " を実現するために低コストで品質の良いものを作れば良いのです。そこがメーカの技術力と直結するのですが、諦めず知恵を出してもらいたいと思います。
うちは技術力がないからとか、時間がないからとか理由をつけ、最初から品質とコストをトレードオフしようとするのではなく、両属性とも良化すれことを目指しましょう。TRIZが言うところの理想解というやつです。特に、品質問題をトレードオフしなければならないような事態に陥った際は、妥協解を探すのではなく、技術者としてプライドを持って理想解にアプローチしたいですよね。
技術者には、よく知られているTRIZですが、簡単に使うには " 矛盾マトリックス " だけでも使う価値はあります。矛盾マトリックスは理想解にたどり着くヒント(発明原理)を与えてくれます。具体策はもちろん自身で考え出さなければなりませんが、ヒントだけでもありがたいですよね。少なくとも、使わないよりは絶対マシです。
" 品質に関する矛盾問題は、TRIZで解決の糸口を見つける " べき、というお話でした。
ではまた。。。
そうそう、TRIZを簡単に使いたい方、12/3(火)10:00から1時間、久しぶりに技術紹介プレゼンを行います。
お時間のある方、ご興味のある方はご参加ください。