ドイツの街歩き:バルトの港町(Rostock)

ドイツの海岸線は北側に位置しているので、深い紺色の海と強い風をイメージします。特に東寄りのこの地域は技術者のようなよそ者には、何があるのか得体が知れず興味がそそられる地域。この地域で珍しく?大きな街がRostock(ロストック)で、会社の同僚、購買担当のM氏の故郷。以前から訪れる機会をうかがっていました。

今回は、西側のKielLübeckを訪れた帰り道、ちょっと距離があるのでRostockに一泊することにしたんです。黄昏時にLübeckを出発したので、Rostockに到着したのは21:00を回った頃でしょうか。あたりはもう真っ暗で、小雨混じり。なんとも心細くなりますが、ホテルにチェックインし夕食に出かけます。

市庁舎前の広場まで歩いて行くと、意外にも賑わいを見せています。と言っても、ほとんどが飲み客ですが。少しぶらついて、店を決めようと思いましたが、賑わっていたのはこのあたりだけで、ちょっと路地へ入るともう真っ暗です。他に選択肢がないような状況で、イタリアンレストランと書いてある店に入りました。

さすが港町。店の中は飲み客で賑わっていますが、Dinnerと言えるようなメニューは少ないようです。港町なのでフィッシュ&チップスとWeissbierで済ませ明日に備えます。流石に白身魚は、新鮮で、ほくほくしていて美味いです。

次の日は雨も上がりいい天気、朝から市内に繰り出します。昨日見た市庁舎は全容を確認することができ、きれいな歴史的建築物であることがわかります。7本並んだ塔が象徴的ですね。少し歩くと、大きな教会、St. Marien Kirche(聖マリア教会)が見えてきます。詳しくはわかりませんが、ここもバッハゆかりの教会みたいですね。天文時計が有名らしいですが、それよりも天井に一気に伸びるステンドグラスは一見の価値あり。これを見ることができただけでもRostockにきた甲斐がありました。

Altstadtを西側に進むと何やら道を遮るように古い門が聳えます。地図で確認すると、Kröpeliner Tor(クレッペリーナ門)という建造物であることが分かります。

近くにまた教会が見えるので、ちょっと寄っていきましょう。先ほどのSt. Marien Kircheに比べると小ぶりの教会です。まだ時間が早く、中には入ることができないみたいなので、隣接する歴史博物館のような建物を見学します。朝早いせいか、自分以外誰もいません。Rostockの歴史、当時の生活を説明していますが、如何せん規模が小さく、すぐに見終わります。説明書を見ていると、ここと教会はRostock大学の一部のようです。教会も、Universitätskircheと記載されています。すごく寒かったので、しばし教会のホールに座っていましたが、今日は海岸まで行く予定なので、そろそろ街を出発しましょう。教会を後にして通りに出ると、歴史を感じさせるRostock大学の建物を見つけました。購買の彼もここを卒業したんだと、感慨に耽けながら街を後にしました。

そういえば、先日中国から知り合いが訪れてきました。サプライヤーさんの一社なんですが、その方(Lさん)と、うちの中国拠点の購買(Xさん)、私が会食で近くの席に座りました。Lさんが使うのが中国語と英語、Xさんが使うのが中国語と日本語、私が使うのが日本語と英語。結局、3人で会話ができないという状況。結局、通訳し合いながら会話することはできたのですが、海外赴任あるあるですよね。ちなみに、Rostock出身のMさんはドイツ語、英語、日本語を使います。同じ購買部門なので中国のXさんとは知り合いなのですが、彼らが話をする際は日本語を使います。バイリンガル、トリリンガルのありがたみは、外国にいるとひしひしと実感できますよね。

さあ、車を北に進めて河口のWarnemündeを目指します。ドイツには〜mündeという地名を度々聞きますが、河口という意味らしいです。確かになという感じです。30分くらいでWarnemündeに到着しましたが、どうもリゾート地らしく、無料駐車場が見当たりません。どうせならと海岸に近い駐車場に車を止め、歩いて灯台を目指します。この地方特有の細かな砂が舞う海沿いの道を歩いて行くと、消防車が停めてあり見学イベントが開催されていました。どこの国でも小さい子供には消防車は憧れなんですね。大人気です。

しばし歩いて港に近づくと、ついにここのランドマークである大きな灯台に到着します。確かに大きな灯台ですが、港だけあって、他にも灯台がいっぱい。自分の生まれ故郷にも灯台が近くにあり、遊び場にしていましたが、ここも地元の子供たちにとっては大事な場所なんだろうね。港を見ると、大きなフェリーがゆっくりと出港していきます。どこへ行くんでしょう、いいですよね。時間を忘れてゆっくりする状況は自分にもやってくるのだろうか? 北欧の船旅は憧れますよね、いつか行ってみたいです。

砂浜に出てみると、先ほど出港したフェリーがもうあんなところまで。沖合を進むフェリーを見ながら、日暮れまで散歩していました。もう夕方、寒くなってきたので帰るとしましょう。

意外にも、見どころの多いRostock(とリゾート地Warnemünde)でした。

ではまた。。。