ドイツの街歩き:一番美しい街(Görlitz)

ガイドブックを見ると、その街はドイツで一番美しい街と呼ばれているそうです。街の名はGörlitz(ゲルリッツ)。ポーランド国境にある街で、ポーランド側の街Zgorzelec(ズゴジェレツ)とは国境を流れるLausitzer Neisse(ラウズイッツァーナイセ川)を隔てて、一つの街のようになってます。地図を見てもわかりますが、ここまで拡大しないとGörlitzという文字は出てきません。本当に、ドイツで一番美しい街なのか?Dersdenの近くなので早速訪れることにしました。

Dresdenからだと100kmくらい。ポーランド国境は意外と近いです。国境と言っても、検問所がある訳でもなく行き来は自由です。高速だと越境する前に料金を支払い、フロントウインドウにシールを貼り付けなきゃいけないんですけどね。今日は、天気が良くて気持ちがいいです。街中に入ると、建物が全体的に新しく、ごみも落ちていないし確かに綺麗な街であることは、すぐに理解できます。

すぐに到着したし、今日はこの街で一泊する予定なので時間はたっぷりあります。ゆっくりと街歩きしましょう。歩いていると塔のようなものや、円形の建物がやたらと目につきます。写真左からReichenbacher Turm(ライヒェンバッハ塔)、Kaisertrutz(カイザートルッツ)、Dicker Turm(デッカー塔)、一番右の写真の奥に見えるのがNikolaitrum(ニコライ塔)です。いずれも博物館のようですが、見学はパスしもっと街を歩きます。

まだまだ塔が見えますね。次の写真は、左がFrauenkirche(フラウエン教会)、街中の広場と、Dreifaltigkeitskirche(トリニティ教会)、そして最後は立派な建物だったので、つい撮影した市役所。

街中に戻ってくると、綺麗な一本の塔に時計を持つ市庁舎、塔が二つあるのがこの街のランドマーク(多分)Peterskirche(聖ペーター教会)です。随分と大きな教会で、近づいてみるとその迫力に圧倒されます。

Peterskircheから旧市街橋まで降って行く道があります。この橋を渡りポーランド側に入ります。ポーランド側から川越しに見る教会も美しいですね。

川沿いには商店や、アパートが立ち並び国境であることを忘れてしまいそうです。第二次世界大戦前は、同じ街だったんですよね。川沿いを歩いた先に何やら寺院のような大きな建物が見えます。せっかくなので、見物しに行ってみましょう。大きな建物ですが、どうも教会とかではなく地図でみるとMiejski Dom Kultury Hallとあります。地区のコミュニティセンターみたいです。中に入ると大きなホールがあり、球形の天井はステンドグラスになっています。コミュニティセンターというのは、日本もそうですが、時々こういう凄い建物になりがちですよね。妙に納得します。

帰り道、南側にかかる橋を通ってGörlitzへ戻ります。橋の両端には国境らしく標識が確認できます。そして、ヨハネパウロ2世を偲ぶ記念碑に、花が添えられていました。見ているだけでも心が落ち着きますよね。

さて、時間はまだ夕食には早いので、ちょっとお茶にしましょうか。ドイツは甘い物天国ですよね、美味しそうなケーキが並んでいます。寒くなってきたので、カフェで、ロールケーキとカフェオレにしました。

さて夕食の店を探しましょう。なんか本格的に寒くなってきたので、とにかく選ばずに入れそうなところに入ります。Peterskircheの近くに、肉料理レストランがあったので、入ることにしました。多分、寒そうにしていたんでしょうね、こっちの席はどうですかと、スタッフが暖炉の近くの席に案内してくれます。うわー、人の優しさが心に染みます。火を見ているだけで心まで温まるじゃないですか。最高の席です。

さて、メニューを見ても、さっぱりわからないので、地元の名物を注文します。わからないときはこれが一番。あとは、お決まりのWeizenです。今夜は泊まりますからね。結局、出てきたのはステーキのような豪快な肉とじゃがいも。なんの肉だろう???でも、見た目は大雑把ですが、柔らかく、とても美味しくいただきました。チェックの際、美味しかったので15%くらいチップを乗せたのですが、あれ?露骨に不服そう。計算間違ったかな?心では " ごめんなさいね " ですが、でも、こっちもカッコ悪いので払直しはしませんよ。多分、夜だし、いい席も取ってあげらんだから30%くらいは払うだろうと思われていたのかも。お姉さん、ごめんなさいね。日本人も、いろいろなんですよ。

さてホテルまでやってきましたが、入り口が閉まってます。インターホンで呼び出すパターンですね。ドイツの田舎では良くあるやつです。Hotel Europaとあります。随分と大きくでた名前の割には、質素な感じ。でも、夕食も美味しかったし、今日はゆっくり眠れそうです。

翌朝、また来るよーってフロントに声をかけてチェックアウト。Görlitzの郊外に出ると、何やら小高い山が見えます。頂上には何か建物のようなものも見えますね。眺めも良さそうだし、せっかくなので行ってみましょうか。何かに惹かれるように山に向かいます。麓に着きましたが、山道のような砂利道はあるけど、どうなんでしょう入ってもいいのかどうかよく分かりません。ダメならダメで、注意されるだろうと思い、上へ上へと登っていきます。犬を連れ散歩している人に会いましたが、何にも言いません。頂上に辿り着きましたが、大きな建物は人気がありません。今は使われていない、何かの施設か、宿のようです。というわけで、この建物以外は何もなし。山頂からの眺めも、木が邪魔してよく見えません。。。結局、何に惹かれたんだろう。

さ、気を取り直して、次の目的地に向かいましょう。

翌週月曜日、ドイツ人の同僚によると、旧東ドイツの中でもこの街は戦後復興がなかなか進まず、古い建物がずっと残り続けいたのですが、国が大金を投じて町中を改修したらしいのです。妙に小綺麗だったのは、そういうことだったのですね。他地域のドイツ人からすれば皮肉混じりの ” 一番美しい街 ” という表現ということか? でも、建物だけじゃなく、道にもゴミ一つ落ちていなくて、Görlitzは人も含め確かに美しい街でした。