自動車業界で生残るために…
先週、久しぶりにお付き合いのあった加工メーカーさんにお邪魔して、意見交換をさせていただきました。お忙しい中、時間を割いて下さったFさん、ありがとうございました。。。
" 100年に一度の変革期 " と言われて久しい自動車業界において、中小企業の方々は、これから本格的となるEV化の波にどう立ち向かおうとしているのか?経産省の目標では2035年に発売される乗用車は100%EV化、まさに今動き始めているはずで、どう生き残ろうとしているのか?生の意見を聞きたかったのです。弊社の業態、サービスも今のままでいいのか、気になっていたんです。
もちろん話の内容は言えませんが、加工メーカーとしては、業界や顧客の状況を常に把握し、顧客の動きに追従できるよう準備しておくというところでしょうか。体力のあるメーカーさんの中には、業態変更や自社製品開発に舵を切るところもありますが、まずは今を乗り切ることが最優先のようです。
さて、日本が得意とする自動車ですが、EVの登場で売上台数では、新興メーカーに水を開けられている状況です。" 自動車なんて、そう簡単に作れるものじゃないよ " という意見を尻目に、あっという間に市場を席巻しました。
私も2020年まで中国に駐在していたこともあり、中国メーカーの考え方は理解しているつもりです。米国人、ドイツ人とも一緒に仕事をしてきたので、日本人との考え方の違いは、嫌というほど知らされました。実は、日本人の考え方が特殊なんですね。どういうことか…
簡単にいうと、日本人は失敗しないよう万全の体制でモノづくりを進めます。業界の開発ステップ、社内ルールもそうなっています。一方、他の国、特に中国ではモノをとにかく世の中に出すことが先決と考えているようです。失敗したら修正すればいいという考え方です。失敗を恐れないんですね。なんなら、これさえチャンスに変えようと考えます。
日本の場合は、失敗(不具合発生)は恥以外の何者でもありません。ですから、問題が起きた場合、心の底から反省し、責任者は一生懸命謝罪します。こういう姿は、他の国では滅多にお目にかかれません。失敗を起こさない、繰り返さないための仕組は足枷となり、新しい価値をなかなか生み出すことができません。開発終了後の設計変更や工程変更を極端に嫌うのは、その最たるものです。
マスコミが取り上げたいのもわかりますが、問題が起きた時の、公開処刑みたいな会見も見るに耐えません。これから同じ分野で活躍しようとしている人の目にどう映ることでしょう。もう、やめてほしいと思います。
そんな日本の状況とは裏腹に、他の国では、イノベーションが次々と起こり、魅力的な新製品が生まれています。EV然りです。ルールに則って、粛々と業務をこなしていればなんとかなる時代は終わりました。これから本気でEVや、SDV(Software Defined Vehicle)の流れに乗るのであれば、ハード製品の開発ルールだってドラスティックに変更する必要があります。ソフトの製品開発は、我々ハード屋がイメージするより早いです。フロントローディングで補えるレベルではありません。
自動車業界全体が既に問題に気がつき、それこそ " 100年に一度のモノづくり改革、品質システム改革 " が生まれるといいんですけどね。。。最近は、そんなことばかり考えてます。