ドイツの街歩き:文豪が生きた街(Weimar)

ドイツにはGoethe(ゲーテ)所縁の街がたくさん存在します。そして、生誕の地であるFrankfurt am Mainから、生涯を閉じたWeimar(ワイマール)に至る道はGoethe街道と呼ばれ、Goetheの足跡を肌で感じることができます。という訳で今回は4号線沿いの街、前回紹介したJenaの隣にあるWeimarを訪ねました。

26歳の時に公国に招かれ、若くして行政長官まで務めたGoetheは、この街で数々の詩、戯曲、小説を世に送り出し文豪として名を馳せました。そして、生涯の大作ファウストを書き終えた翌年、83歳でこの世を去ります。 生涯の大半をこの小さな街で過ごした訳ですから、よほど心地よかったに違いありません。その心地よさ、はたして感じ取れるでしょうか。とりあえず、車を駐車場に入れ、街を探索します。

Weimarといえば議会制民主主義が生まれた街、かのワイマール憲法が生まれた街としても有名ですが、今日はGoetheの足跡を求め街を巡ります。歩き始め、すぐに見つけました。Goetheと彼の友人Schillerの像、国民劇場の前で途轍もない威厳を放っています。そうか、Goetheはこういう顔をしていたのですね。確かに難解な戯曲とか描きそうで、ちょっと近づき難い印象です。と言っても、私自身ファウストも何も深く触れたことはないので、印象だけですけどね。

6月なので天気にも恵まれ、気持ちよく歩けます。街自体はこじんまりとしていて、のどかな雰囲気。観光用に馬車も見かけます。余談ですがこの馬車、ドイツの至る所で見かけます。景観にマッチして、当時の街の雰囲気を醸し出すには一役買っていますが、折角のドイツの街が画一的に見えてしまいちょっと残念。もう少し特徴を出せばいいのに。まあ、私なんかが口出しすることではないですが。。。

街のほぼ中央にはGoetheの家が博物館(世界遺産だそうです)として公開されています。一個人の邸宅というよりも、当時の地位からすると公邸という位置付けだったかもしれません。部屋数も多いし、想像していたものより随分と大きいです。中には書斎や、立派な調度品で飾られた客間、そして "もっと光を" と言い残し最後を迎えたベッドルームが当時のまま残されています。この叫び。彼は、この世の何に固執したんでしょう。

当時のGoetheに想いを馳せ、次に向かうのはilm公園にあるもう一つの家、ガーデンハウス。ここはGoetheが26歳の時に引っ越してきた時の住居、33歳まで過ごした家ですね。Goetheが作ったとされるilm公園の小高い土手に建つ家は、先ほど訪れた家とは違い、こじんまりとしていて随分と質素です。若かったから、当たり前ですよね。今回は残念ながら時間の関係上、中は見ることはできませんでしたが、外観だけでも当時の様子を窺い知れます。公園に入ると芝生はずっと奥の方まで続き、道伝いに奥へ奥へと誘います。街中の喧騒を忘れ想いを巡らすには絶好の環境です。そう、ここは哲学の道という感じですね。Goetheは街中に居を移した後も度々ここを訪れていたそうです。確かに、この穏やかな場所さえあれば生涯この街で暮らしたくなりますよね。

前回紹介したJenaの隣町なので、セットで訪れるのもお勧めです。民主主義の息吹と、文豪の人生観を確かに感じられる街Weimar、なぜか懐かしさが込み上げてきます。。。ではまた。